
しかも、類似したゲノム欠損がNpm1+/-細胞に認められ、試験管内でも体内でも癌細胞に転換しやすくなることから、この機能にはNpm1遺伝子量が重要です。 Pandolfiらはこのため、NPM欠乏による遺伝子不安定性(無制限な中心体の複製を来して異数性となる)が、腫瘍形成に寄与しうるのではないかと考えています。Npm1+/-細胞は、NPM1遺伝子座の転座または削除というヒト癌に起こる状況を反映したものであることから、上記のことは特に重要です。 NPMがハプロ不全であることがわかっているため、Pandolfiらは、Npm1+/-マウスの造血が影響を受けているかどうかを突き止めようとしました。 このマウスの血液および骨髄を分析したところ、確かに、ヒトMDSの成因を彷彿とさせる形成異常の特徴がいくつか認められました。 5番染色体上のNPM1遺伝子座は、MDS患者に構造異常が現われやすいことから、Pandolfiらは、NPMの機能不全がこの多遺伝子疾患の成因に一枚かんでいるのではないかと述べています。 Lesley Cunliffe この論文の原文は、ネイチャー誌で確認してください。 |
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| 炎症の傾向 | |
炎症性乳癌(IBC)の発生および生存に関する傾向をみる研究では、IBC発生率が1990年代に増大したこと、人種間にみる発生率の差が大きく顕著であることが明らかにされています。 Paul Levineらは、1988年から2000年にかけて診断された乳癌症例について、Surveillance, Epidemiology and End Results (SEER)プログラムのデータを分析しました。 おそらくはIBC分類基準が異なるため、IBCの推定発生率には大きなばらつきが見られ、非炎症性の局所進行乳癌(LABC)が含まれていた可能性もあります。この分析は、IBC臨床および病理学の包括的定義を利用したもので、腫瘍サイズおよび腫瘍の広がりのほか、形態(すなわち、皮膚リンパ管の塞栓形成)に関するSEERコードを用いました。 180,224例のうち、IBCに分類されたのは3,648例、LABCに分類されたのは3,636例で、残りは乳腺組織および脂肪に限局した乳癌(米国癌合同委員会の病期分類ではT1−T3に分類される)に分類されました。 IBC発生率は、1998−1990年の2.0から1997−1999年の2.5へ25%上昇しています。同時期におけるLABCおよびT1−T3乳癌の発生率は低下していますが、これはマンモグラフィーによるスクリーニングのおかげで早期発見が可能になったためではないかとみられています。 これに対してIBCは、高い乳腺密度に隠されてしまうびまん性腫瘍であることから、マンモグラフィーで検知することが困難です。 IBC発生率は、白人女性(2.2)よりも黒人女性(3.1)の方が高い結果になりました。IBCと診断された女性の生存期間の中央値(2.9年)は、LABC(6.4年)またはT1−T3乳癌(10年超)と診断された女性よりも短かったです。 また、黒人女性はIBCまたはLABCのいずれであっても、白人女性よりも生存期間が短かい結果になりました。 いくつかの研究グループが現在、IBCの分子プロフィールについて研究していますが、これはIBCの発生率が上昇している理由およびIBCの悪性度が高く、治療不応性である理由を明らかにする一助になると考えられています。 Kristine Novak この論文の原文は、ネイチャー誌で確認してください。 |
