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1918年のインフルエンザは
鳥インフルエンザウイルスが原因

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 ネイチャー誌の医学関連論文紹介
 です。
2002年6月15日開設
2005年8月15日改訂
自己の宇宙、遥かな宇宙 全ての答えがこの宇宙にあります。
惑星テラ見聞録は、答えを探す切っ掛けを提案します。
ネイチャー誌の医学関連論文紹介
2005
105日号

 これは、1957年と1968年のヒトでの大流行の原因となったウイルス株とは対照的です。

 この2つのウイルス株は、ヒトに適応したウイルス株と組換えを起こして「殺人ウイルス」に変化したようです。

 1918年ウイルスと現在のH5N1とに共通する変異は、ウイルスの複製効率を上げる働きをする可能性があり、これらのウイルスがあれほど伝染性の強い病気を引き起こした理由については、おそらくこれで説明できるようです。


 この論文の原文は、ネイチャー誌で確認してください。

転移をモデル化する

 Nature Geneticsの10月号の2つの研究論文では、転移に関する理解を深める新知見が報告されています。

 転移とは、癌細胞が限局性の腫瘍から飛び出して、別の場所に移動し、癌を体内に散在させるプロセスのことです。

 Kent Hunterたちは、遺伝子操作で乳癌を発症したマウスを使った実験で、遺伝子Sipa1の特定の多型を持つマウスにおいて転移の発生率が高いことを明らかにしました。

 この遺伝子には、細胞増殖を促進するシグナルを受けて産生されるタンパク質がコードされています。この遺伝子が発現すると、細胞の接着性が変化し、転移能が高まります。

 特定の人々にSipa1の正常多型がある場合、いったん腫瘍が発生した後の転移性癌の発生率が通常よりも高いとする学説がありますが、今回の新知見は、この考え方を裏づけています。

 Robert Weinbergたちの研究論文では、黒色腫の新しいマウスモデルについて記述されています。

 通常、黒色腫は、転移する可能性が非常に高いが、Weinbergたちは、癌化する前の正常なメラノサイトに見られる遺伝子発現プログラムが、その一因であることを明らかにしています。

 メラノサイトは、神経冠細胞という遊走細胞に由来していますが、Weinbergたちは、正常なメラノサイトが移動するために必要なタンパク質Slugに、黒色腫における転移を促進する作用もあることを示しています。

 転移性癌になりやすい人となりにくい人がいるのは、遺伝的背景の正常な多型性によるものだとする考え方がありますが、Hunterたちの研究成果もWeinbergたちの研究成果も、これと整合しています。


 この論文の原文は、ネイチャー誌で確認してください。

抗体を理解する

 西ナイルウイルスが、しっかりと根をおろす前に細胞レベルで侵入を阻止する抗体についての報告が寄せられています。

 この抗体は、ウイルスが細胞の表面に付着した後でウイルスに結合して感染を阻害しますが、研究者たちは、その仕組みを調べました。

 この結果は、日本脳炎ウイルスや黄熱病ウイルス、デング熱ウイルスなどといった類似のウイルスに対するワクチンの開発にも役立つ可能性があります。

 デング熱ウイルスの感染者は毎年5000万人にものぼりますが、まだ認可されたワクチンはありません。

 西ナイルウイルスは、鳥の病原体ですが、1999年に初めて米国で報告されて以来、ヒトへの感染は1万6000例以上にのぼり、死者は650人を超えています。

 西ナイルウイルスは、フラビウイルスの一種なので、今回の知見は、他のフラビウイルス(中には、ヒトにとって西ナイルウイルス以上に有害なものもある)に対するワクチンの開発にも役立ちそうです。

 D Fremontたちは、今回、ウイルスの表面タンパク質の1つのアミノ酸と抗体E16との相互作用について詳しく調べました。

 E16は、ウイルスが宿主細胞の表面に付着するまで待ってから、巧妙に融合過程を妨げることがわかりました。

 ウイルスが引き金となって起こる宿主細胞の構造変化を阻害するのです。

 これまで、防御的に働く抗体は単にウイルスの最初の付着を阻害すると考えられていましたが、今回の研究で、E16は、ウイルスの細胞への侵入方法に関係なく感染を阻止できることが明らかになりました。

 このため、E16は、ワクチン設計戦略改良の鍵となる候補になりそうです。


 この論文の原文は、ネイチャー誌で確認してください。


 1918年から1919年にかけて約5000万人の命を奪った「スペイン風邪」ウイルスの最後の3つの遺伝子について塩基配列が解読されました。

 それによると、このウイルスは当時のヒトにとってまったく新しい要素をもっており、そのために非常に毒性が強くなったようです。

 また、この1918年ウイルスも、現在極東地域で広がりつつあるH5N1鳥インフルエンザウイルス株に見られるのと同じ変異をいくつか持っており、この種のウイルスは、すでにヒトに適応したウイルス株とあらかじめ組換えを起こさなくても、重い感染を引き起こせる可能性があることがわかりました。

 J Taubenbergerたちは、犠牲者の遺体標品から単離された1918年ウイルスの完全なタンパク質コード配列を組み立てる作業を1995年に開始しましたが、それがこのほど終了しました。

 これまでに、ウイルスゲノムの5つの遺伝子含有領域について塩基配列が解読されていますが、Taubenbergerたちが今回新たに解読した遺伝子(ヒト細胞内でのウイルスの複製に不可欠なポリメラーゼをコードしている)には、鳥でしか見られないウイルス株の持つ遺伝子と際立った類似性が見られました。

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